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コラム記事(№53)「最近のPbフリーはんだの動向」について

2025.09.19

「最近のPbフリーはんだの動向」について

 電気・電子機器などの特定有害物資の使用制限に関するEUの法律、RoHS指令の対応として、日系電機メーカーが先陣を切ってPbフリーはんだを導入してから約25年が経過します。導入当初の合金は標準化されたSAC305Sn-3.0Ag-0.5Cu)やSn-Cu合金などの合金種に限定されていましたが、はんだ材料コスト、および実装基板の用途に応じた各種Pbフリーはんだ合金の開発が進み、現在では、フローはんだ付け及びリフローはんだ付け用合金として、用途に応じて様々な合金種が使用されるようになっています。最近では、SDGs関連で低融点フローはんだ付けや、PC用実装基板への低融点ペーストの導入など、新たな試みが進んでいます。以下、用途別に合金種の動向を説明します。

 

 

① フローはんだ付け用合金

 

 導入当初、民生機器、車載機器、産業機器共にSAC305を中心に導入され、民生機器や一部の産業機器ではSn-Cu合金が使用されていましたが、Ag価格の高騰により低銀(1Ag0.3Ag)の開発導入が進み、Sn-Cu系合金の導入も拡大しています。現在では、SAC305SAC0307及びSn-Cu合金の三合金の競合と考えられます。業界全体での使用比率はSAC30570%)、SAC030710%)、Sn-Cu15%)、Sn-Bi系(5%)、Sn-Pb(数%)とみられます。

 

 なお、フローはんだ槽では、溶融はんだの噴流があるので酸化物(ドロス)の発生が多くなります。少しでもドロスの発生を抑制するために、PGeを微量添加する場合が多いです。Sn-Pb共晶はんだに比べてSnの含有率が高いためSn酸化物が多く発生することから、PGeを酸化抑制剤として添加します。酸化抑制剤としての機能はSn-Pbはんだ時代にもありましたが、Pbフリーはんだ時代に採用が拡大しています。また、Ni添加の効能については、ちょうど1990年代前後のSn-Pb長寿命はんだ(CRT-TVの接合部クラック抑制技術:Niを微量添加して接合界面にNiを介在させ、はんだクラックを抑制する)の例があり、同様にSn-Cu合金やSACNiを微量添加して接合部の信頼性を改善しています。

 

 

② リフローはんだ付け用合金

 

 導入当初、リフローはんだ付け用ペーストはんだはSAC305及びSn-Cu合金でスタートし、同じくAgの高騰から低銀合金化が進み、また、Sn-Cu合金の信頼性も見直され増加傾向にあります。現在は、車載機器、産業機器ではSAC305系(70%)、民生機器ではSAC10710%)及びSn-Cu10%)、Sn-Bi系(5%)とみられます。ペーストの合金はフロー用合金と異なり、接合信頼性改善目的の各種添加金属の調合が容易なため、SAC305+α(Ni, Sb, In, Bi)添加合金などが、高強度かつ高信頼性合金として車載系ECUなどで使用が伸びているようです。例えば、BEVHVの増加を考慮すると、より高いはんだ接合信頼性が要求されてきますので、SAC系の高耐熱疲労性合金の採用が増加すると考えられます。

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